1. DNSリゾルバーとその役割
DNSリゾルバーってなに?
インターネットでサイトを見るとき、名前(URL)だけじゃ本当の場所にはたどり着けません。 だから「名前」と「インターネット上の住所(IPアドレス)」をつなぐ案内人が必要です。 それが DNSリゾルバー。名前から住所を調べてくれる、頼れる案内係なんです。
DNSリゾルバーのしごと
どんな風に働いているのか、やさしく説明すると…
- 見たいサイトの名前を伝えると
- リゾルバーが「住所はどこかな?」と探し始めます
- 必要なら、何人かのベテラン(ルートサーバーやTLDサーバーなど)にも助けを求めます
- ついに本当の住所が見つかって
- ブラウザに教えて、ページが表示されます
ほんの数秒の出来事なのに、たくさんのやりとりがあるんですよ。
なぜ大切なの?
- サイトを見るたび、必ず働いている“縁の下の力持ち”
- 通信を安全にする技術(DNS over HTTPSなど)にも関わっていて、プライバシーを守る役目もあります
- よく行く場所を覚えていて、すぐに案内してくれる(キャッシュ機能)賢さも持っています
おしまいに…
DNSリゾルバーは、静かで目立たないけれど、インターネットが快適に使えるよう支えてくれる存在。 知れば知るほど、すごく大切でありがたい役割だと気づきます。
次にサイトを開いたとき、そっと「ありがとう」と思ってみるのもいいかもしれませんね。
2. ルートDNSサーバー、TLDサーバー、権威DNSサーバーの説明
インターネット住所さがしのベテランたち
DNSリゾルバーが住所(IPアドレス)を探すとき、いくつかの「頼れる専門家」に順番に話を聞いていきます。その中でも活躍するのが、以下の3種類のサーバーたちです。
ルートDNSサーバー
いちばん最初に相談するのがこのサーバー。 インターネットの住所探しの「出発点」のような存在です。
- 「この名前、どのエリアに聞けばいい?」と道筋を教えてくれる
- 自分で住所は知らないけれど、次に聞くべき場所(TLDサーバー)を教えてくれる
まるで受付係のように、どこへ行けばいいか案内してくれます。
TLDサーバー(トップレベルドメイン)
「.com」や「.jp」など、名前の一番右側にある部分を管理しているサーバーです。
- ルートサーバーに案内されてやってくると、「.comの住所なら、こっちだよ」とさらに詳しい案内をしてくれる
- このサーバーも住所そのものは持っていないけれど、「権威DNSサーバー」の場所を教えてくれる
まるで“町内案内板”のように、目的地へ近づく道を教えてくれる存在です。
権威DNSサーバー
ついに、住所をちゃんと知っているサーバーに到着!
- 名前(ドメイン名)に対応する正しい住所(IPアドレス)を持っている
- DNSリゾルバーに「これが本当の住所です」と教えてくれる
まさに“住所台帳”のような存在で、ここまで来れば目的地までまっすぐ進めます。
このように、DNSリゾルバーは「受付」→「案内板」→「台帳」と順番に頼って、確実に住所を探し出しているのです 📌
3. DNSクエリの流れ(再帰的クエリと逐次的クエリ)
DNSクエリってなに?
インターネットで「www.example.com」にアクセスするとき、コンピュータは「この名前のIPアドレスは何?」とDNSに聞きます。
この「聞くこと」をDNSクエリと言います。
2つの聞き方:再帰的クエリと逐次的クエリ
DNSクエリには2つの聞き方があります。
A. 再帰的クエリ
ユーザーがDNSサーバーに質問すると、そのDNSサーバーが「答えがわかるまで」他のDNSサーバーに何度も聞きに行って、最後に答えを教えてくれます。
つまり、ユーザーは1回質問するだけで答えが返ってくるので、楽で便利です。
B. 逐次的クエリ
ユーザーがDNSサーバーに質問すると、そのDNSサーバーは「答えはわからないけど、次に聞くべきDNSサーバーの場所はここだよ」と教えます。
そしてユーザーがその次のDNSサーバーに聞きに行き、また違うDNSサーバーを紹介され…という流れで答えを探します。
この場合、ユーザーが何度も質問しなければいけません。
まとめ
聞き方 | DNSサーバーの役割 | ユーザーの負担 | DNSサーバーの負担 |
---|---|---|---|
再帰的クエリ | 答えがわかるまで代わりに調べる | 少ない | 大きい |
逐次的クエリ | 次に聞く場所を教えるだけ | 多い | 小さい |